日本の伝統技法で作られた「松本零士 浮世絵コレクション」

日本の伝統・人力車

松本零士の有名作品を人間国宝が浮世絵化

現在アラフォーやアラフィフ世代の人にとって、松本零士作品は大切な思い出として残る作品ではないかと思います。

代表作である「銀河鉄道999」や「キャプテンハーロック」「宇宙戦艦ヤマト」といったものは、現在まで何度もリメイク作品が作られるアニメ史上に残る作品となっています。

コミックス版の他にこれまで「松本零士幻想イラスト集」や「松本零士の世界」といった解説本や作品集も数多く販売されてきました。

そんな関連本の中でも非常に珍しい存在となっているのが、原作者である松本零士だけではなく人間国宝の称号を受けている人たちとともに新たな作品として作り上げた「松本零士 浮世絵コレクション」です。

「松本零士 浮世絵コレクション」は2017年3月7日にブロード・エキスパート合同会社による製作・著作・販売でリリースされました。

完全に数量限定となっており、間に書店などを通さずブロード・エキスパート社からユーザーに直送されることとなっています。

コレクションはいくつかの種類がありますが、イラスト本体は松本零士の手によるものではなく、一枚一枚を手作りで職人たちが製作しています。

限定生産1000枚のうち10枚に松本零士直筆サインが入れられており、オリジナルボックスとアクリルフレーム付きとなっています。

ここまでやるか!というほどのこだわりの職人技

一枚一枚が手作りということもあり、価格も通常の作品集とは比べ物にならない設定となっています。
シリーズはいくつかありますが、一作目となる「LM01銀河鉄道テイクオフ」では102,600円(税込)となっており、他の図柄も10万円状の設定が続きます。

なぜここまで高いのかというと、まず「美しすぎる書道家」として有名な涼風花筆が大事を担当し、人間国宝として九代目を襲名している岩野一兵衛が木版画を作成しています。

さらに印刷をする紙は越前和紙奉書紙という最高級紙を使用しており、図柄を一色ずつ丁寧に手摺りで色付けをしていくのです。

こうした木版画を手摺りで仕上げていく方法を「手摺り木版画」と言いますが、これができる職人は今では少なく伝統的な印刷技法を行うことができる希少な会社である竹笹堂が行います。

もちろんこれらの図柄は全て松本零士監修のもとに作られており、子供の頃に夢見たシーンが浮世絵という新たな表現方法によって鮮やかに蘇ってきます。

現代の浮世絵としてまさにピッタリの題材であることから、アニメ・マンガファンばかりでなく美術収集家からも大きな注目を受けているアイテムです。

発注では入金をしてから発送まで3ヶ月の時期がかかるというのもポイントで、到着を待つまでの間も楽しみです。