人生を勝ち取った男の法則

数々のヒット商品を生み出してきたプロ

伊藤園などで活躍してきた山本康博氏は、今までに数々のヒット商品を生み出してきた、まさに商品開発のプロと呼べる人です。
そのヒット商品には、「充実野菜」、「ルーツ」、「リアルゴールド」などがあり、どれも全国で膨大な数の売れ行きを記録してきました。

その商品開発には、法則とも言えるものがあり、人生を成功させるための大事な教訓をも含んでいます。
ビジネスで勝ち上がるだけでなく、人との接し方や自分の人生への取り組みなどにおいても考えさせるものばかりなのです。

最も大事なことに目を向けることを教えてくれる

山本康博氏は6つの法則を挙げていますが、その第一は「調査データよりもお客様を助けるために」ということです。
商品がうまくいっていないと、その原因を調べるためにアンケート調査などを大事にする傾向が強いものですが、それよりも大事なものとして、お客様がどんな不満を抱えているかを考えて、それを解決するために工夫をするということを強調しています。

また、「現場の言うことを聞き過ぎない」、「机にばかりとどまっていない」ということも2つ目、3つ目の法則として挙げています。
確かに、商品開発では営業などの現場の声というのは大事ですが、それが必ずしも良い商品を売り出すことにつながるわけではなく、単に不満に迎合した商品を作るだけで、目新しいアイディアを生み出すものとはならないのです。
さらに、机に座って頭を悩ませているだけでなく、いろいろな状況を見て、頭をリフレッシュさせて物を考えるという動きは、斬新なアイディアを出すのにとても効果的なものとなります。

経験から基づく売れる法則

他にも、「パワーポイントでプレゼンを書き始めない」という法則も挙げています。
アイディアをまとめていく段階で、いきなりパワーポイントを使うと、見た目の構成などに気を取られてしまい、肝心のアイディアがおろそかになってしまうこともあります。
そのため、アイディアをひねっていく段階では手を使いペンと紙で作業をし、完全にまとまったらプレゼン用にパワーポイントを作るという作業を勧めています。

さらに、「30パーセントルール」というのを大事にしています。
これは、多くの人は30パーセントの変化があると、初めて行動するようになるという経験に基づく心理です。
30パーセント割引や、30パーセント増量というと、急に市場が動き大きな力を生むことになるというもので、いろいろな分野に応用できる経験則となっています。

最後は「未練を持たない」ということで、売れなくなってきたものなどは、未練を引きずることなく切っていくという姿勢が大事です。
こうした上手な割り切りが、ビジネスも人生もうまくやっていける秘訣と言えるでしょう。