和菓子のおともには緑茶ではなくコーヒーを
おやつや食後のデザートを楽しむ時、定番の飲み物となるのがコーヒーです。
ケーキやクレープなどを食べる時には、砂糖の甘みを引き締めてくれる濃いめのコーヒーはまさに最高の相性になります。
しかしそれが和菓子を食べる場面となると、つい選んでしまいがちになるのが緑茶や抹茶です。
もともと日本の和菓子は茶道におけるお茶請けとして進化してきたという歴史があることから、苦味のある抹茶やすっきりとした風味の玉露茶は和菓子を引き立てる最高のアイテムとなります。
ですがそうした固定観念をちょっと崩してみて、和菓子にコーヒーを合わせてみるというのも意外な相性があります。
和菓子の持つ上品な甘みとコーヒーの苦味はそれぞれの風味を引き立ててくれる存在となりますので、ぜひ一度試してみてもらいたいです。
和菓子の中でも特にコーヒーとの相性がよいものとしておすすめなのが、「羊羹」「どらやき」「団子」といった古典的な和菓子です。
コーヒーはブラックで飲んでもいいですが、ミルクを入れてまろやかにしておくとまた違った味わいがあります。
どら焼きのカステラ部分はミルクととても合うので、たっぷり入れたカフェオレにしてみるというのもよい方法です。
コーヒーに最も合う和菓子を決める全国大会
コーヒーと和菓子の可能性をより探求するため、毎年行われているイベントとして「珈琲・和菓子アワード」があります。
主催は「AGF(味の素ゼネラルフーヅ)」で、家庭用や業務用のコーヒー製品を数多く取り扱っていることでもよく知られていますね。
アワードの選定基準となっているのは「和菓子の持つ歴史的背景やストーリー」「和菓子と地域の文化との関係性」「珈琲との味覚の相性」の三点です。
全国の地方新聞社からの協力のもと、それぞれの地域で販売されている和菓子を都道府県から1品ずつ推薦してもらいノミネート作品からユーザー投票などを経て受賞品が決まります。
2016年のグランプリ作品として愛媛県松山市の「一六タルト」があります。
「一六タルト」は断面が「の」の字になっていることが特徴の和風ロールケーキで、愛媛県産の柚子と白双糖を使用したなめらかな味わいをしています。
グランプリ作品の他にオレンジページ賞として紙面でモニターを募集して試食をした結果、選ばれたお菓子もあります。
2016年の受賞作品は神奈川県鎌倉市の「鳩サブレー」となっており、地元で愛され続ける100年以上も歴史のある鎌倉の味が珈琲との相性を認められています。
他にも惜しくもグランプリを逃したノミネート菓子として三重県の「井村屋どらやき」や京都の「つばらつばら」、広島のにしき堂「もみじ饅頭」などがあり、どれも一度は試してみたい味です。